FXの「ローソク足」の判断方法を改めてまとめてみる
よく聞かれる質問があります。
「トレード分析をする上で、必ず入れたほうが良いテクニカルインジケーターはどれでしょうか?」
という質問です。
この答えは、私が考えるに、「ローソク足」と考えます。
ローソク足は、当たり前過ぎて、テクニカルインジケーターの一つとして捉えられていないかも知れません。
日本では、どの業者を開設してもチャートを開けば、ローソク足が初期設定で表示されますが、世界の基本チャートのMT4では、バーチャートやラインチャートが表示されることもあります。
それでもローソク足での分析は欠かせないもので、ファンダメンタル分析が主のトレーダーも、ローソク足だけは必ず見ているものです。
実はローソク足は、1本だけでも多くの情報をトレーダーに教えてくれています。
今回は、その判断方法を簡単にまとめておこうと思います。
ローソク足の構成
ローソク足は、1本でも実に多くの情報を提供してくれています。
その基本的な構成について、復習しておきましょう。
よく見るローソク足の構成です。
実体とヒゲの組み合わせで、
「相場に勢いがある、トレンド状態なのかどうか?」
「反転しやすい状況なのか?」
「膠着状態なのかどうか?」
ということが一目で分かります。
ローソク足自体が、短い・小さい状態ならば、活気がない動きが鈍い状態ですし、
陽線と陰線の比重が多いほうが、トレンドを形成しやすい状態と言えます。
また、長いヒゲがあれば、反転しやすい状況かもしれないと推測できます。
さらに、今回は省きますが、1本だけでなく、複数のローソク足の組み合わせで、分析をさらに深めることも出来るのです。
ローソク足で見るべきポイントは2つだけ
ローソク足の分析をするにあたっては、酒田五法が有名ですが、様々なパターンを覚えるのは結構大変です。
テクニカル分析は、シンプルなほど有効ということを考えると、あまり複雑に考えすぎるのもよくありません。
私が提唱するローソク足の見方は2つだけです。
実体の長いローソク足
ローソク足の実体が急に大きくなる展開が出た時に注目します。
実体が大きいローソク足は、相場が転換する大きな節目になりやすいからです。
上図のチャートで、上矢印が表示されている部分は、それまでのローソク足の長さより、明らかに長くなっています。
矢印より左側は、ローソク足の長さもそうですが、小さな波でレンジを描いていることから、この大きな足をキッカケに上昇に転じています。
もっと言うならば、ほぼヒゲをつけずに上昇しているので、明らかに上昇の勢いが強くなるということも読み取れます。
この時に、勢いよく上昇したから下落に転ずるだろうという考えていると、痛い目を見るのは言うまでもありません。
このようにレンジから出た実体の長いローソク足は、そのつけた方向に素直についていくのが基本となります。
では、次の場合はどうでしょうか?
下落トレンドから、大き目のローソク足が出て反転上昇しています。
トレンド中の順行の大きな足は、材料出尽くしのトレンドの終焉と見ることが出来ます。
ですので、反転することも多いです。
ただし、上記の2つのパターンが出たからと言って、必ずそのとおりになるわけではありません。
レンジから大きく動き出しても、元に戻ることもありますし、トレンド中の大きな足も、調整は入るものの、再度トレンドが出ることもあります。
要は長い実体のローソク足は、必ず意識されるポイントになるということです。
このポイントを掴んでいれば、逆方向への動きになった時も慌てずに対応できるようになります。
トレードシナリオを描く際も、そこから取っ掛かりをつけやすくなります。
ヒゲの発生
長いヒゲが出た時には、マーケット上のトレーダーが、迷っている状態を表しています。
一定期間の中で高値や安値をつけたけれども、結局戻された状態です。
つまり、そういった不安定な心理状態になっている相場で、ヒゲが発生しているという本質部分を理解していれば、
「ヒゲが出たから反転する」
という覚え方ではなく、
「ヒゲが出たので、買い戻しや売り戻しが行われているから、反転するかも知れない」
という判断ができるようになります。
ローソク足に込められた動きを推し量ることが重要
この他にも同時線や十字線は転換のサインと言われます。
確かにそのような動きをすることが多いものです。
これも、丸暗記をするのではなく、そこには、「なぜ、ローソク足がそのような形状を示すのか?」
ということを読み解くようにすれば、イチイチパターンを覚えなくても済みます。
これは、チャートパターンにも言えることです。
酒田五法を丸暗記するより、このようにローソク足に込められた背景というものを認識できるようになれば、分析力も格段に上がっていくでしょう。