エコノミストが重要視する経済理論の一つが購買力平価理論です。
購買力平価説とは、外貨為替レートは自国通貨と外貨通貨の購買力の比率により決まると考える理論です。
物やサービスの価格は、通貨の購買力を表しています。
物やサービスの取引が自由に行える市場では、同じ商品の価格は一つに決まります。
これを一物一価の法則といいます。
取引が自由に行えて価格情報が十分に与えられていれるのであれば、
国内でも海外でも同じ商品は同じ価格で取引されるはずです。
仮にアメリカの物価が日本より安ければ、アメリカの製品を買う人が増えるはずです。
円を売ってドルを買う人が増えるため、米ドルは上昇することになります。(円安ドル高)
逆に日本の物価が安ければ、日本の製品を買う人が増えるはずです。
米ドルを売って円を買う人が増えるため、米ドルは下落することになります。(円高ドル安)
日本で1個100円のハンバーガーがアメリカで1ドルであったとすれば、
為替レートは1ドル=100円で釣り合うと考えられます。
これを絶対的購買力平価説といいます。
しかし、ある一時点の通貨の絶対的な価値(購買力)を把握するのは難しい問題です。
そこで、2国間の物価の相対的な動きに着目することにしました。
2国間の物価のどちらかがより大きく変動したかを見ることにしたのです。
2国間の物価指数上昇率をインフレ格差といいますが、
2国間のインフレ格差から為替レートを決める方法を相対的購買力平価説といいます。
ある国の物価が上昇すると、その国の通貨価値は下がります。
これを2国間で見ると、インフレ格差分だけ相手国の通貨価値が下がると考えられます。