エンベロープは、移動平均線を一定の割合で上下に乖離させたテクニカル分析です。
あまり、他のトレーダーは使わないテクニカル分析かも知れませんが、
私はよく使うので詳しく取り上げたいと思います。
どんな通貨でも値動きを表すチャートを見れば分かるように、
上がり続けたり下がり続けるなどといった一方通行の動きはしていません。
価格は常に上下を繰り返して全体的に上がったり下がったりします。
そうした価格の上下の動きを繰り返すため、
為替レートはどこかで移動平均線と接するポイントが必ず有ります。
なぜなら、価格が上昇していてもいつかは上昇は止まり、下落するか高値でもみ合うからです。
また、同様に下落してもいつかは下落が止まり、上昇するか、下値でもみ合うことになります。
そうした動きがあるため、価格のすぐ後ろを追いかけてくる移動平均線が実際の為替レートに追い付いてきます。
上図は白が移動平均線です。
図のように、移動平均線と交差して離れても、どこかで必ず再び交差します。
価格が上昇し続けたり下落したりすると、移動平均線から何%離れているのか?
移動平均線から何%離れると逆の動きになるのか?
という話題が市場で出てきます。
つまり、どんなに実際の価格と移動平均線が離れていたとしても、この2つはいずれどこかで接します。
それが価格と移動平均線がどれくらい離れたら価格の動きが止まり、反転し始めるのか、
ということを、分析するのです。
上図は米ドル円の日足チャートに25日移動平均線を描画して、
その移動平均線から3%エンベロープを加えたものです。
チャートが上下3%の線の間に収まっているのがわかると思います。
このチャートから、これから米ドルと円の関係が同じように続くとするならば、
ドル円がこの上下の線に近づいた時には、これから移動平均線に戻る動きに違いない、
と予測を立てることが出来ます。
なお、エンベロープを価格が超えた場合については2つの可能性が考えられます。
1つはいずれエンベロープの地点まで価格は戻ってくるという考え方、
2つ目は超えた地点でしばらくもみ合うという考え方です。
これは超えた地点でもみ合うことによって、移動平均線が追い付いてくるということになります。
ただし、相場ですから、材料によっては大きく乖離してしまう可能性も否定はできません。