MACDとは、期間の異なる2本の移動平均線のギャップの伸縮に注目し、
その動きによってトレンドの方向性及び転換の兆候を把握しようというものです。
MACDは視覚的にわかりやすい上に、適用範囲が広く、致命的な失敗が少ないため、
人気のあるテクニカルです。
為替がトレンドを形成する時に、それに追随するように短期の移動平均線が動き、
遅れて長期の移動平均線が動きます。
この時に2本の移動平均線の感応度の違いによってギャップが拡大します。
したがって、上昇トレンドの序盤から中盤には、MACDの値はゼロ付近もしくはそれ以下から急速に上昇し、
プラスの圏内で推移しますし、下降トレンドではその逆に推移します。
MACDとシグナル線の交差によって売買シグナルとみなすことが多いです。
また、基本的にMACDとシグナルともに0ラインより上に位置していて、
MACDがシグナルを下から上に抜けている時は上昇、
その反対は下降トレンドが発生していることを表します。
黄色線がMACD、赤線がシグナルです。
MACD>シグナルは買い ピンクの囲い部です。
MACD<シグナルは売り 青線の囲い部です。
MACDで失敗しやすい急所は、為替の上昇・下降のペースを落ちて、
ゆるやかな動きをしている場合です。
すなわち、MACDが一時下向きになっても、0まで下がらずに、
プラス圏内で横ばい状態だったり、その逆のケースの時です。
プラス圏内時は、為替のトレンドがまだ上向きだったり、マイナス圏内時は下向きであることを意味するので、
為替が高値または安値を更新した場合には、為替のトレンドを優先させるべきです。
また、横ばいの相場ではダマシばかりで参考になりません。
このように小さなダマシはよく起こるため、使い手の工夫も必要になります。