普段使われている円高、円安という言葉ですが、なんか違和感ありませんか?
ちょっと混乱するキーワードだと思います。
TVのニュースなどで「今日の東京外国為替市場、現在は100円、昨日に比べて1円の円安でした」
という言い回しが出てきます。
円安と聞くと、円が安くなったから101円から1円安くなったんだ
と思いがちです。
しかし、本当の意味は99円から100円に上がったことを意味しています。
なぜ数字が上がったのに円安というのでしょうか?
外国為替取引は売買という表現を使いますが、本来は2種類の通貨を交換することを指します。
そのため、一方の通貨が高くなると、もう一方の通過は安くなります。
昨日まで99円出せば1ドルと交換できたのですが、今日は100円出さないと交換してもらえません。
つまり円の価値がドルに対して下がったことになります。
これを円安と呼びます。
この時、ドルの円に対する価値が上がったのですからドル高といっても構いません。
しかし、日本にいる場合、円を中心に考えたほうが分かりやすいので、円安と表現しているのです。
一方、1ドル100円出さないと買えなかったものが、99円で換えるようになったとすれば、
円の価値がドルに対して上がったことになります。
これが円高です。
ではどうしてこんなややこしい考えになったでしょうか?
それは、為替相場では円ではなくドルを基準として考えられているからなのです。
ドルは基軸通貨と呼ばれます。
基軸通貨というのは、国の対外支払準備として保有されるなど、
国際取引における支配的な地位を占める通貨です。
外国為替市場において、基本的にドルと円の通貨ペアの場合は、ドルを基準として相場が捉えられています。
つまりドルを基準に考えれば、1ドル99円と1ドル00円では、100円のほうがドル高ということになります。
そのため円高=ドル安、円安=ドル高という表現になるのです。
外為取引では安い時に買って、高い時に売ることで利益を出します。
したがって、この場合は1ドル99円の時にドルを買ったあとに、100円で売ればその差額が利益となるわけです。