なぜ日本人の給料は上がらないのか?
もうすぐボーナスの季節です。
その日まで待ち遠しいとは思いますが、日本人の給与というのは、数十年上がっていません。
特に、リーマンショック時の影響は大きく、そこから緩やかに上昇はしているものの、長期的に見ると下がっています。
これは、世界的に見ると、他の国が成長していて、自国が成長していないということですので、相対的に貧乏になっているとも言えます。
その理由を少し考えてみたいと思います。
1.製造業が基本の考え方が染み付いている
日本は高度経済成長時代は、製造業をメインとして成長を繰り返してきました。
この考え方が大企業でも今もなお染み付いていて、そこから脱却できていません。
これは、消費者側にもそのような考え方があり、業界をひっくり返すようなモノの価値を生み出したり、それに対価を支払うという考えが、他国に比べて浸透していないような気がします。
IT分野で遅れをとっているのは、こういうところが考えられます。
2.人材の流動性が少ない
日本人全てを能力給にすると、おそらく、若い人が台頭してくるはずです。
しかし、昔よりは増えたものの、年功序列制度というのは、根強く残っています。
経験値が仕事に反映される職業であればそれでもいいのですが、結果的に、この年功序列制度があるために、安定した雇用と給与が抑えられているという状態になっていると考えられます。
3.給与の変動が少ない
能力給でないということは、給与が下がることが、ほとんど無いということです。
経営者側から見て、給与を上げてしまうと下げづらいという環境のために、上げもしないし下げもしないということになり、給与が抑えられてしまう傾向が出てしまいます。
慣習に縛られやすい日本の企業
以上が私が考える点ですが、これらは、悪いことばかりではなく、安定した雇用という側面も持ち合わせています。
リストラがあまり行われずに、急に辞めさせられないというのは、情に厚い日本人ならではと言えるでしょう。
ただ、世界的に見ても日本の影響力というのは遅れをとりつつあるということを考えると、根本的な構造改革は必要とは考えます。