「カーブフィッティング」とは?~FX自動売買の実績の裏話~
FXの自動売買システムを選択する時に、過去の相場でうまく適用出来たかどうかの結果(バックテスト)を参考にして購入するという人は多いはずです。
とういか、それを基に購入するのが普通です。
リスクリワードのバランスがよくて、勝率が高くて、最大資産からの下落率(ドローダウン)が低ければ、優秀な自動売買システムに違いないと思い、取り入れたくなるものです。
しかし、実際に購入して使用してみると、思っていた結果と違って思うように資産が増えなかったり、場合によってはマイナスになるというのがほとんどです。
これは、バックテストにおける「カーブフィッティング」が関与しているからです。
今回は、このカーブフィッティングについて解説していこうと思います。
ちなみに、私個人的には自動売買はオススメしません。以下の記事にその理由をまとめていますので、気になる方はこちらの記事もご覧ください。
カーブフィッティングとは?
カーブフィッティングは、日本語で過剰最適化と呼ばれます。
過去の特定期間のマーケットの状況に合わせて数値(パラメーター)を最適化することです。
特定期間の収益がドローダウンしている時に、パラメーターを調整してドローダウン率を抑えるようにします。
要するに、過去データを使って、利益が出せた状態をねつ造しているということです。
実際、結構な数で販売されている、自動売買ソフトやシステムの実績は、このパターンが多いです。
例えばですが、2円くらいの値幅でレンジを形成していた期間の時に、2円レンジのロジックでシステムを組んだとします。
そうすれば、この期間だけは、かなり優秀な成績を残すシステムが出来上がります。
今後もこの2円幅で動けば、確かに利益は増えていきますが、当然その動きが変化してトレンドなどが出た場合、機能しなくなり、バックテストは意味のないものとなります。
つまり、カーブフィッティングにより最適化されたデータは、全くあてにならず、利益を生むどころか損失を出しかねないということになるのです。
まじめなFXの自動売買の販売業者もカーブフィッティングに陥ることがある
悪徳販売業者は別にして、真面目な販売業者も、このカーブフィッティングのワナに陥ることがあります。
それは、自動売買システムを作成する場合の手順により、必然的に発生してしまうものだからです。
ロジックを考えてシステム化をして、バックテストを行い、パラメーターを修正する
この繰り返しによっていい収益が期待できるシステムが出来上がります。
しかし、それは、結局、カーブフィッティングさせたシステムであるので、ひずみが生じやすく使えないシステムになってしまうということです。
最適化すればすれるほど、そのシステムから得られる結果というものは、ひずみが出て敏感なシステムが出来上がってしまいます。
そうなれば、その状態から外れてしまうと、極端に結果が悪くなりやすくなるということです。
結局FXの自動売買の販売業者はまず疑ってかかるべし
バックテスト頼みの自動売買の評価は、結局あてにならないということです。
特にバックテストの結果が良すぎるモノは、カーブフィッティングされている可能性が高く、要注意です。
数字として出されたデータは、とにかく成績が良いものをと思いますが、未来の相場で同様の成績が保証されているわけではないことを、肝に銘じておくべきということです。
机上の計算で作られた自動運転の車を一回も実践でテストせずに購入者に販売していたらどうでしょうか?
人柱になるのは、もちろん御免なはずです。
販売業者が短時間で考え出された、いい加減なロジックを鵜呑みにして大事な資金を奪われないように、慎重に判断をすべきであることを認識しておくべきです。