FXの自動売買が「稼げない理由」を暴露します
「何もしないでほったからしで稼げる」魅力的な言葉です。
私も思わず前のめりになります。
自動売買は投資家の夢のシステムとも言えるでしょう。
しかし、その現状は惨憺(さんたん)たるものです。
私も初心者の頃、購入して運用したことがありました。
右肩上がりに資産も上昇して、「このままいけば億万長者も夢ではない」
という感じで、追加で資金を投入てみたものの、大幅ドローダウンに陥り、自分で損切りしました。。。
高い授業料になった経験があります。
では、なぜうたい文句通りに勝てないのでしょうか?
ドローダウンに耐えられない
よく、バックテストの成績で損失に耐えながら右肩上がりのグラフが表示されていることがあります。
本当に増えていくものだとしても、運用していて、その途中のドローダウンには耐えられないことがほとんどです。
これは、2つ意味があり、「資金管理的に耐えられない」、ということがまず挙げられます。
長期間のバックテストの最大ドローダウンは、グラフで見るとそれほどでもなかったりしますが、実際にはかなりのドローダウンを食らっています。
もし、スタートした時からまもなくその大きなドローダウンがきたらどうでしょうか?
ひとたまりもありません。
当然、強制ロスカットになることは目に見えています。
そして、もう一つ、資金的に耐えられてもメンタル的に耐えられなくなります。
大きなマイナスを抱えている時は、トレード自体を控えたくなります。
ですが、勝手に売買を繰り返し、ポジションを持ちたがるロジックを見ていたら、胃が痛くなることも間違いないでしょう。
また、含み損のポジションを膨らませ続けている状態で、ずーっとポジションを持ち続けるものもあります。
損切りして仕切り直してトレード出来るところを保有し続けたらどうでしょうか?
これも同様に普通の人であれば、耐えられないでしょう。
そもそもロジック自体が怪しい
販売されている自動売買ロジックやソフトは、もちろん有効なロジックもあるかもしれませんが、そのほとんどは、使えないプログラミングされた自動売買です。
負けない部分を無理やり作成して、勝てるところだけのデータを公開して販売しているだけです。
購入者を勝たせるロジックを販売する販売会社は、自分自身が利益を得られることしか考えていません。
目的はほぼ100%その商品を販売して儲けることになっているという事実です。
購入者の勝ち負けはどうでもいいという言い分を販売会社から聞いたことが私はあります。
同業他社同士でプログラムを譲り合って手を変え品を変えて販売を続けていくというあくどい会社もあるようです。
そもそもですが、全員が同じプログラムを使って売買したとところで、FXのシステム上、全員が同じ様に勝てる世界ではありません。
これは、ノーベル賞学者を要し、史上最強の運用チームを結成し運用したLTCMというヘッジファンドの破綻からも読み取れます。
この時は4年間は順調でしたが、一気にその情勢は変わりました。
最高の金融工学理論を用いて、最高の頭脳集団が作成したプログラムが破綻するという事実があるのに、我々一般人が手放しで運用して大きく儲けられるわけがないのです。
もし勝てるとすれば・・・
結局自己判断で裁量的に自動売買を動かせる人が勝てる人ということになります。
全て自動売買に委ねるのではなく、動かすタイミング、止めるタイミングを調整しながら利益を積み上げていくという感じです。
「相場観」という言葉があります。
カンみたいなものですが、確度が高いカンです。
マーケットでの経験が長くなると、言葉では言い表せないようなものが身につくことがあります。
マーケットはコンピューターと戦っている感じがありますが、結局は、人対人の思惑が絡んで出来上がったものがチャートに表れます。
ですので、人間心理が生み出すニュアンスを感じ取りトレードしていくことが結果的に勝ちに繋がります。
大きな動きの時に事前に察知、察知できなくても臨機応変に対応できるのが人間の強みです。
この部分は、まだまだAIやコンピューターは弱い部分です。
ですので、この相場観が身についてきてからの稼働は意味があるということなのです。
もし、自動売買だけに頼って取らぬ狸の皮算用をしていれば、すぐにやめて、トレード力を上げていく努力をしていったほうが後々良い結果を生みます。
トレードで勝つ方法は一つではありません。
勝つ人の感覚は、自分が持っている感覚と異なることも多いです。
自分なりのトレードをしっかりと身に付けていきましょう。