【FX】コロナ禍のドル円をどう考えていくか?
マーケットは安定した時期というものが存在します。
株式で言えば、上昇トレンドを描いている時です。
現在の世界情勢は、新型コロナウイルスにより、政局も相場も不安定になっています。
そんな中で、日本人に親しみのある、通貨ペア、「米ドル円」の今後の展開を少し考えてみたいと思います。
為替レートの変動要因を簡単に復習
通常の為替レートの動きというのは、需要と供給のバランスによって成り立っています。
買いたい・売りたい、という2つの思惑がこの需給に影響をして、為替レートを形成していきます。
それでは、どのような要因が変化の原因になるのか、まずは、押さえておきましょう。
金利
金利が高いと、投資家は、有利な金利を求めて、自国の通貨を減らして、金利上昇の国の資産の比率を高めようとします。
米ドル円の場合ならば、アメリカの金利が上昇すれば、円が売られて米ドルが買われやすくなり、円高ドル安傾向になるということです。
景気
景気と為替は言うまでもなく密接な関係です。
景気が良く、企業の業績が向上している時は、その国の株式を購入しようとする動きが加速します。
米ドル円の場合ならば、アメリカの景気が良ければ円が売られて米ドルが買われやすくなり、円高ドル安傾向になります。
この景気は、経済指標などで発表される数値で判断できます。
物価
物価は物やサービスの価格です。
例えば、100円で買えたものが120円になれば、物価上昇になります。
この時、インフレ(物価が上がる状態)になっており、お金の価値は下がっている状態とも言えます。
アメリカでインフレが起きて、日本ではデフレであれば、ドルの価値は下がり円の価値は上がるので、円高ドル安傾向になるということです。
株価
私達トレーダーが、最も気にする為替との連動要因といえば、株価かもしれません。
例えば、アメリカで株高が進めば、リスク・オンと呼ばれる状況になり、投資家がリスクを取るような動きになり、リスク性の高い株が買われ、安全資産の円が売られてドル高円安になっていきます。
逆にアメリカの株が低調な展開になると、円高になるというパターンです。
その他の要因として、世界全体がコロナショックのように、沈んでいる時は、安全資産の円が買われる傾向があるために、円高傾向になります。
これから予想される米ドル円で注意すべきこと
現在注目される変動要因は、金利でしょう。
日本・アメリカ共に金融緩和を行っている現状で、いつまで行われるのかというところが要点となってきます。
その尺度として、長期金利と短期金利の差に注目していきます。
短期金利=政策金利と考えることが普通は出来て、現況は、コロナの影響でゼロ金利政策を打ち出しています。
長期金利=長期国債の利回りと考えることが出来て、景気状況を見るのに適していると言えるでしょう。
この短期金利と長期金利の差が最近は出始めています。
金利差が大きくなれば政策金利の引き上げや量的緩和の縮小が検討されます。
このタイミングを見誤るとマーケットには、大きな動揺が生じ、不安感から世界恐慌的な動きが出ることがあります。
コロナの感染者数や死者数、ワクチンの接種普及、経済活動の回復、というところは、世界中の関心事です。
いかにソフトランディング出来るかというところに注目をして、マーケットを観察していくべきでしょう。