勝率から考える「損益の比率」とは
前回、トレードの手法に関して比較をする時に、リスクリワードを考えるべきということを書きました。
リスクリワードレシオを用いて評価すべきということでしたね。
ただし、リスクリワードレシオのみだけで考えるのも、危険です。
今回は前回のリスクリワードも踏まえながら、勝率も加味して適切なロジックの考え方を学習していきます。
リスクリワードだけで判断してはいけないワケ
リスクリワードレシオは、確かにトレードを客観的に評価するのに有効な手段です。
ですが、これ単体で判断することは、正しい判断とは言えません。
リスクリワードと勝率を加味して前回例を評価していきます。
①平均利益が10pips、平均損失が20pipsで勝率が80%で100トレード行った場合
80回×10pips-20回×20pips=400pips
②平均利益が20pips、平均損失10pipsで、勝率が40%で100トレード行った場合
40回×20pips-60回×10pips=200pips
となり、①のロジックの方が優秀となります。
リスクリワードレシオは、②の方が良かったのですが、勝率を加えて総合的に見てみると、結局①の方が良かったということになります。
このように、リスクリワードだけ考えても、勝率だけで考えても、トレード手法は適正に評価できず、両方を組み入れて考える必要性があります。
プロフィットファクターという考え方
上記のように、勝率とリスクリワードを考えた、総利益と損損失の比率を考えたものを「プロフィットファクター」と言います。
この値が1以上であれば、利益を残せる期待値が高いということになります。
プロフィットファクター=純利益÷純損失
①のシステムならば、
80回×10pips÷20回×20pips=2
②のシステムならば、
40回×20pips÷60回×10pips=1.33
となり①の方が高いので、①と②を比較するならば、①を選択すべきとなります。
プロフィットファクターが高すぎてもどうか?
当然、このプロフィットファクターが高いほうが、いいステムであることに間違いはありませんが、気をつけるべきことがあります。
それが、短期間での評価です。
短期間であれば、プロフィットファクターの数値が異常に高いことはありえます。
特に自動売買システムで、プロフィットファクターが10を超えるとか、それに近い数字が出たシステムには注意を払うべきでしょう。
一桁でも後半の数字になるようなシステムは疑ってかかるようにしましょう。
体作りにも、栄養摂取などの食事・どこの筋力を高める運動をするか、など、バランスが大事なように、トレードにもバランス感覚が必要なことがあります。
利益のみを追求しすぎて、手法が定まらない、または、トレードの成績が思わしくない、ということもあるので、全体を見ていくことを忘れずにしておきましょう。