危険なトレード「ナンピン」がNGな理由
ナンピンは、初級者トレーダーもよく使われる戦略です。
ギャンブルの世界でも同じような戦略を取って、稼ぐことが出来て、一見無敵のような手法と見られがちですが、無計画なナンピンは非常に危険です。
今回は、なぜ、ナンピンがよくない戦略なのかということを解説していきます。
ナンピンとは?
FXのナンピンとは、含み損出しているポジションを、さらに買い増したり売り増したりする方法のことです。
ナンピンの目的は、現在持っているポジションから不利な方向へ動いた時に、さらにポジションを追加することで、平均購入レートを引き下げたり、引き上げたりすることが目的です。
例えば、100円で買いを入れたとします。
思うように伸びず、逆に下がってしまった時に、99円で買い増しをしたとします。
すると、(100+99)÷2=99.50が平均購入レートとなります。
99.50円で平均買いを入れたということは、99.50円まで回復すればプラマイゼロとなり、それ以上になればプラス転換になるということです。
つまり、平均購入レートを有利な方向へ引き上げたり。引き下げたりして、含み損の解消や損失を少なくしていくというやり方がナンピンのメイン手法になります。
ナンピンのデメリット
私も戦略的にナンピンを使用したりします。
ここまで、書くと、なんと有効な手法なんだと思うかも知れませんが、ナンピンは万能の手法ではありません。
含み損の速度が異様に速くなる
含み損を解消するためのナンピンですが、ナンピン後にさらに不利な方向へ動くと、含み損はさらに急激に増えていきます。
ナンピンの失敗は含み損の急増ということになりかねません。
ナンピンは、含み損を減らして、時に利益を加速させていくことも出来ますが、損失も膨大になる覚悟が必要になります。
強制ロスカットの危険性が高くなる
当然といえば当然ですが、含み損の速度が速くなれば、強制ロスカットの危険性も高くなります。
特に、感情的にトレードをすると、ナンピンし他後にさらに逆行してしまうと、焦ってしまい、さらにナンピンを繰り返します。
マーチンゲールという手法がありますが、これは、ナンピン時にロットを倍にしてしていき、普通にナンピンするよりも平均レートを有利にする方法があります。
ですが、莫大な資金があるならともかく、数百万円程度での資金では、破綻は目に見えています。
そのような無計画なナンピンは、強制ロスカットにわざわざ向かっていると言わざるえません。
ナンピンを思わずしてしまう心理
これだけ、ナンピンが危険であるにも関わらず、多用されてしまう背景というものがあります。
それが、レバレッジと中毒性です。
FXは、国内業者でも25倍、海外では500倍程度はあります。
少ないロットで始めると、証拠金維持率は高いままになります。
ですので、普通なら莫大な資金が出来ないナンピンも、いとも簡単に出来てしまうのです。
また、ナンピンは常習性、中毒性的なものがあります。
成功することも多いので、勝っている感覚になります。
実際は、反対方向へ動いているのですから、見立てと反対方向へ動いているので、トレードとしては正しくはありません。
ですが、ナンピンすることによって、なんとか損失は免れることによって、勝っていると勘違いしてしまうのです。
「反対方向へ向かってもナンピンをしておけば大丈夫」
という思い違いをしてしまい、いつかレートが戻らなくその時に、マーケットから退場を余儀なくされるというわけです。
絶対にナンピンが駄目とは言いません。
戦略的に行うのであれば、有効な手法ですが、なんでもかんでもナンピンすれば事足りると思っていたら、いつかはしっぺ返しが来ます。
お金を失いたくないという気持ちはわかりますが、損切りという概念を、ないがしろにして、ナンピンという考えから抜け出さないままでいると、いつまでたっても利益は増えていきません。
もし、ナンピングセがあれば、きちんと直してマーケットに対して真摯に望むべきでしょう。