危険なトレード「マーチンゲール」がNGな理由
FXには様々なトレード戦略があります。
その一つに、ギャンブルで有名なマーチンゲール法というものがあります。
「負けたら倍掛けで賭ける」と言ったらわかりやすいでしょうか。
今回はFXで、マーチンゲール法が有効なのかどうか?
ということを解説していきたいと思います。
マーチンゲール法の概略
マーチンゲール法のやり方は簡単です。
最初のトレードで1000円負けたら、次はロット数を2倍にしてトレードするだけです。
それで負けたら、更に倍にして・・・を繰り返していきます。
つまり、勝つまで倍掛けでトレードするということです。
例えば、1万通貨で利確を10pips・損切り10pipsでトレードするとします。
すると、下図のようなイメージになります。
トレード数 | 結果 | ロット数 | 損益 | 累計損益 |
1 | ✕ | 1万通貨 | -1000円 | -1000円 |
2 | ✕ | 2万通貨 | -2000円 | -3000円 |
3 | ✕ | 4万通貨 | -4000円 | -7000円 |
4 | ○ | 8万通貨 | +8000円 | +1000円 |
マーチンゲール法は最強の手法?
上図のとおり、連敗をしても最後の1トレードだけ勝てばプラスに持っていけます。
トータルで負けないというのは大きな魅力でしょう。
また、そこまで連敗することは、確率的に見ても少ないのでは?とも考えられます。
例えば、仮に勝率が50%であれば、10連敗する確率は、1/1024という少なさになります。
それゆえに、マーチンゲール法は最強の戦略と思うかも知れません。
やはりマーチンゲール法は危険でしかない
では、上記の例で10連敗し、11トレード目で勝利したトレードのケースを考えてみます。
トレード数 | 結果 | ロット数 | 損益 | 累計損益 |
1 | ✕ | 1万通貨 | -1,000円 | -1,000円 |
2 | ✕ | 2万通貨 | -2,000円 | -3,000円 |
3 | ✕ | 4万通貨 | -4,000円 | -7,000円 |
4 | ✕ | 8万通貨 | -8,000円 | -15,000円 |
5 | ✕ | 16万通貨 | -16,000円 | -31,000円 |
6 | ✕ | 32万通貨 | -32,000円 | -63,000円 |
7 | ✕ | 64万通貨 | -64,000円 | -127,000円 |
8 | ✕ | 128万通貨 | -128,000円 | -255,000円 |
9 | ✕ | 256万通貨 | -256,000円 | -511,000円 |
10 | ✕ | 512万通貨 | -512,000円 | -1,023,000円 |
11 | ○ | 1024万通貨 | +1,024,000円 | +1000円 |
10連敗しても11トレード目で見事に勝利し、プラス転換になりました。
ですが、よく見てみると、トンデモナイ数字が表されていることがわかります。
11トレード目は、1000万通貨を超えています。
普通、こんなポジションは持てません。
資金量が豊富だとしても、100万通貨、いや、50万通貨のポジションを持つことも、普通はないでしょう。
つまり、膨大な資金量がマーチンゲール法には必要ということになります。
そして、もう一つ注目したい点は、累計金額の最後の項目です。
最後にプラス転換にはなりましたが、結局、最初の投資金額分の1000円のみの勝利となっています。
もし、膨大な資金量があったとしても、これだけハラハラさせられて、1000円しかプラスにならないというのは、割に合わないでしょう。
このマーチンゲール法での戦略では、効率が異常に悪すぎるということがわかります。
もっと投資効率のよいロジックは、世の中に、いくらでもあります。
それでも「10連敗はありえない」とあなたは考えているでしょうか?
1000回に1回というのは、のべつ幕なしでトレードしていれば、思った以上に遭遇します。
もっと確率の高い7連敗、8連敗ならなおさらです。
また、急激な大きなレート変化というのは、1年のうちに数回は起こります。
そのようなことが起きた時に、あなたの資金量は十分に耐えうることが出来るでしょうか?
結論として、マーチンゲール法は、負け続ければ破綻のリスクがドンドン高くなる一方、リターンは常に一定というところが、使用するに値しない戦略であることがわかります。
FXトレードに聖杯はありません。
小手先だけで勝とうとしないで、地道にスキルを上げて、期待値の高いポイントでのトレードを継続していく他はない、という心構えで、これからも学習していきましょう。