【FX】勝率とリスクリワードのバランス
FXのみならず、投資の勉強をしていれば、「リスクリワード」という重要な概念を耳にします。
このリスクリワードを意識するのとしないのでは、トレードの質や成績が大きく変わってきます。
今回は、リスクリワードに関して、そして、リスクリワードを考える際に注意すべきことを解説していきたいと思います。
リスクリワードとは?
リスクリワードとは、トレードの成績を客観的に評価する数値で、利食い幅と、損切り幅のバランスを表したものです。
その算出方法は、
平均獲得pips÷平均損失pips
で表されます。
例えば、平均の利確が30pips、平均の損切りが30pipsであった場合、
30÷30=1 となります。
当然ながら、平均獲得pipsが平均損失pipsより上回っていれば、利益が残っていきます。
つまり、リスクリワードが1以上ならば損小利大のトレードになり、リスクリワードが1以下ならば、損大利小のトレードということが客観的にわかってきます。
特にリスクリワード1以下の損小利大の場合、利確が早すぎる、または、損切りが遅すぎる、ということが考えられて、トレード改善のヒントとなります。
リスクリワードは高ければ高いほうがよいのか?
では、損大利小のトレードの理想、リスクリワードが1以上ならば、高いほどよいのでしょうか?
リスクリワードの高いトレードをやってみるとわかりますが、実は簡単には勝てません。
損切り幅に対して利益幅が高いと、すぐに損切りにかかってしまうか、利益方向へ伸びても利確ポイントまで届かずに失速して、損切りに引っかかってしまいやすくなります。
何が何でもリスクリワードは高ければいいというものではないということです。
そこには勝率との兼ね合いがあるからです。
リスクリワードが低くても勝率が維持できていれば、ブラスは維持できます。
例えば、平均利益が10pips、平均利益が20pipsの場合、リスクリワードは、
10÷20=0.5 となり、損大利小の悪い手法になります。
しかし、高い勝率をマークできていたらどうでしょうか?
例えば、勝率70%だとします。
100トレードならば、70勝30敗になります。
70勝×10pips-30敗×20pips=100pips
となり、利益はきちんと残っています。
つまり、リスクリワードのみで、トレードを判断するのではなく、勝率も加味して、考える必要性があるということです。
では、勝率とリスクリワードのバランスでの損益分岐点は、どこらへんにあるのでしょうか?
引用元:オアンダジャパン
このように、勝率が25%を切るとかなり厳しい戦いになり、勝率が8割に近ければ、利益は自ずと残っていきます。
しかし、ここで、反対に勝率を重要視し過ぎても、リスクリワードが小さくなるトレードに終始してしまい、勝ちは多いものの、利益があまり残らない実りの少ないトレードになることも多いです。
リスクリワードは値幅の要素も考える
リスクリワードが1:3というトレードをメインで行っているとします。
損切り10pipsだとすると、利確が30pipsになります。
しかし、最近の値幅が20pipsもないようなレンジ相場だとしたら、利確ポイントが30pipsというのは、届きそうにありません。
むしろ、損切られる可能性の方が高いということになります。
リスクリワードは、pips換算ではなくて、比率換算で考えることもポイントになります。
最近の相場の値幅は、チャートを見ればわかりますし、また、FX業者でも値幅データとして提供していたりします。
リスクリワードはバランスで常に考える
このように、オーダーをかける時に、固定pipsでの指値や逆指値注文ではなく、チャートのテクニカルポイントを見て、リスクリワードが適切かどうかを確認してからの注文をするべきと言えるでしょう。
また、資金管理として、毎トレードの損切りpipsの変化により、ロットも変更していく必要があります。
厳密にとは言わないまでも、資金量に応じて、又は、資金量から取るリスクの割合に応じて、数段階ぐらいに分けてロット数を可変させるようにするべきです。
リスクリワードばかりに気を取られて、勝率・値幅・テクニカルポイント・ロット数など、他の要因を全く考えないと、結局、利益が残らない結果になってしまいますので、常にバランスを考えながらのトレードを意識していきましょう。