MT4とMT5の違いって?
現段階のチャート分析においての圧倒的シェアを誇るMT4ですが、じつは、もう更新はほぼ止まっています。
2010年には、MT4の後継ツールということで、MT5を発表しましたが、10年以上経ってもその認知度はあまり上がってきません。
これは単純にMT5よりMT4の方が優秀なツールだからなのでしょうか?
今回は、MT4とMT5の違いについて解説していきます。
MT5の開発経緯
MT5は、MT4の発表からトレーダーのFXの取引環境や、他の業者のツールの開発が大きく変化し、その変化に対応するという目的で開発されました。
しかし、システム自体がMT4と大きく異なり、MT4から簡単に移行が出来ないため、MT5の普及が進んでいないという状況になってしまっています。
基本的にはMT4を踏襲しているものですが、プログラミング言語が、MT4とMT5では互換性がないということもMT5移行の後押しにならない要因と言えるでしょう。
MT4とMT5のスペックの違い
MT5はMT4と使い勝手はほとんど変わりませんが、MT4になかった機能も加わっています。
具体的にMT4とMT5の違いを解説していきます。
MT4 | MT5 | |
描画ツール | 31種類 | 44種類 |
時間足 | 9種類 | 21種類 |
スピード | 普通 | 速い |
ナビゲーターウィンドウ | 普通 | 使いやすい |
気配値ウィンドウ | 2種類 | 4種類 |
板情報 | なし | あり |
アップデート | ほぼなし | 対応 |
カスタムインジケーター | 非常に多い | 普通 |
チャートの時間足の種類が増えた
MT4での時間足の種類は9種類でしたが、MT5では、全部で21種類と倍増しています。
具体的には、今までの足に加えて、
2分足・3分足・4分足・6分足・10分足・20分足・2時間足・3時間足・6時間足・8時間足・12時間足
が増えています。
スキャルピングのトレーダーや中期の時間軸でのトレーダーは、時間足が細かくあるので、さらに詳細な分析が出来るようになります。
ちなみに描画ツールも44種類と増えています。
スピードの動作
動作スピードは、誰しもが気になるところです。
モッサリとしたスピードは、トレードでは必要はありません。
MT5は、MT4より速くなっています。
PCのスペックがあまりに低いと、逆に遅くなることがありますが、よほどのことがない限りは大丈夫そうです。
ナビゲーターウィンドウの管理がしやすくなった
縦の羅列が長かったMT4でしたが、MT5ではコンパクトに項目が整理されていて、見やすいです。
また、MT5では任意に作成することが出来なかったフォルダーが出来るようになり、自分で作成したインジケーターなどをまとめて管理出来たりします。
ただし、デフォルトのカスタムインジケーター数はMT5では、MT4より劣ります。
メジャーなインジケーターはありますので、それほど心配しなくてもよいとは思います。
気配値ウィンドウが増えた
MT4では「通貨ペアリスト」と「ティックチャート」としかなかったものが、MT5では加えて「詳細」と「プライスボード」が見れるようになりました。
「詳細」では、選択した通貨の高値・安値・直近高値・直近安値などが一目でわかります。
「プライスボード」では登録した通貨ペアをいくつでもワンクリック注文出来る機能が加わりました。
板情報が表示出来るようになった
株式投資では当たり前のようにある板情報ですが、FXでは、その業者の板情報というのは、ほとんど公開されていません。
一部の業者でのMT4で、これらの板情報を表示させるところもありましたが、ほんのごく一部でした。
MT5では、業者からのデータを取得することで板情報を表示させることが出来て、そこからオーダーも入れることが出来ます。
板情報を見ながらトレードをするという、新しいスタイルも今後出てくることでしょう。
現状ではまだMT4が有利か?
いいことづくめのMT5のようですが、最大のネックは、MT4で自分で作成・購入などして得たインジケーターや自動売買などをMT5で使用するには、上記でも書いたとおり、新しくコードを書き換える必要性が出てきます。
これは非常に面倒くさい作業です。
MT4のカスタムインジケーターを、そのままMT5で使えないというのは、本当に痛いです。
このデメリットですが、MQ4からMQ5への変換を自動で行うプログラムも出てきているようです。
これらを簡単にエラーなく使用できるようになれば、MT5への移行も進むでしょう。
MT5を使ったほうがよい人というのは、メジャーなインジケーターを使用する、裁量トレーダーがメインと言ったところでしょうか。
いずれにせよ、MT4がすぐに使用できなくなることはないですし、まだまだ幅を利かせる期間もあるでしょうから、焦らずに、少しずつ対応していけばいいでしょう。